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日本人だけではないと思うのですが…

世の中には、「英語ができない日本人」や「日本人はなぜ英語ができないか」的なタイトルの本や記事が溢れているように思うのですが、気のせい?でしょうか。

日本には英語ができない人がいるのは事実ですが、このような文言を頻繁に目にすると、日本全体がそうだと思い込んでしまうだけでなく、日本人だけが英語ができない、とさえ思えてきたりしませんか?

実際に、私は知り合いの方から、「日本人が英語を話せないのはなぜだと思いますか?」と聞かれたことがあります。

でも、待ってください。日本人は英語ができないのですか?そしてそれは日本人だけなのですか?



私が以前住んでいた香港は1997年の中国返還までイギリス領だったため、広東語の他に英語も公用語として広く使われています。と言うのが一般的な認識だと思うのですが…

私が香港に始めて行ったのは返還前のイギリス領時代です。最初の印象は「あれ?思ったほど英語を話していない??」でした。

そして、その数年後、返還直後の香港に仕事で移り住むことになりましたが、印象はやっぱり「意外と英語使ってない??」

職場には様々な国籍の同僚がいましたが、大多数が地元の香港人で、社内公用語は英語ですから、皆さん英語は堪能です。

実際、ABC(American-born Chinese:アメリカ生まれの中国人という意味)やBBC(British-born Chinese:イギリス生まれの中国人)の他、地元の香港人でも英語圏での留学経験者がほとんどでした。

でもですよ、ひとたび外に出ると、場所や人によって英語の能力にはかなりの幅があります。

まるでイギリスのロイヤルファミリーのように格調高い(?!)英語(かどうかは分かりませんが💦)を話す人から、「Gucci! Gucci! Cheap! Cheap!(グッチ、グッチ、安いよ、安いよー)」のような単語を連発してStreet Englishで乗り切る露店商のおじさん、「English No good la~(イングリッシュ、ノーグッラー)」と言ってほとんど話さない人までさまざまです。(「la」は広東語の語尾に付ける「~だよ」のようなニュアンスの言葉)

英語が公用語と言われる香港でこんな感じなのです。(当時の話ですが、今も似たような状況だと思います)

「公用語が広東語と英語です」と言われれば、そこに住む全住人が両言語に堪能なバイリンガルというイメージを持つかもしれませんが、実際のところ、香港の住民のほとんどが広東語を話す香港人です。また、行政関係の書類はすべて、英語、中国語(香港では話し言葉は広東語ですが、繁体字が使用されてはいるものの書き言葉は中国語です)の両言語で用意されているので、どちらかできれば正直困らないのです。

翻って、公用語が日本語の日本はと言うと、例えば都市レベルで見れば、東京や大阪などの大都市もまた同じような状況ではないのかなぁと思います。

英語が必要な職場や環境の人たちは一定数いて、堪能な方も多いはずです。浅草の仲見世通りでは今や普通に英語で接客が行われており、一方「英語は…」と言う方ももちろん多くいらっしゃいます。

これは公用語が英語の香港でさえ、英語のできない人はたくさんいるから安心して、という話ではなく、母語が英語でない非英語圏なら英語のできる人、できない人は混在しているのが当たり前だという話です。さらに、英語のできない人の中には、習得に苦労している人もいれば、英語は必要ないからやらないと言う人もいるでしょう。


香港の他に、北京、上海、台北に住んだことがありますが(すべて中華圏ですね...)、公用語が英語でないという点では日本と同じ地域です。これらの都市で私が知り合った地元の友人、知人、お店の人、銀行の人、駅員さん等々、みなさんの英語の習熟度は千差万別。

当たり前と言えば、当たり前の話ですよね。

「日本人はなぜ英語ができないのか」的なタイトルを見聞きすると、宣伝文句に過ぎないと分かってはいても、「日本人だけではないのになぁ…」と、何だかモヤモヤしてしまうのは、私だけでしょうか。


こうやって反応している時点で、私もその宣伝戦略にすっかり乗せられてしまっているとも言えますが…💦