私のコーチングセッションでは、セッションの冒頭で必ず語彙チェックを行います。チェックの方法は次回のセッションまでに単語帳の指定の範囲の単語を覚えてもらい、その中からランダムにPC画面に表示される英単語の意味を即答してもらうというものです。
「即答」と言うのがすごく重要なので、時間内に回答できない場合は不正解になります。そもそも語彙チェックツールは自動で次々と出題してくるので、「あ~」「う~」などともたもたしてはいられません。
先日、クライアントAさんの語彙チェックで、画面にcompromiseが表示されました。Aさんは粘り強い性格で大変な努力家です。
画面のcompromiseをみて、「あ~」「う~」と唸っています。画面が変わりそうになると、「あれ!あれ!あれ!あれ!です」と粘ります。
語彙チェックツールは無慈悲にも自動で先に進むのですが、普段からAさんが努力しているのを知っている私はなんとかAさんに答えてもらいたく、「そうです!あれです!」と言ってツールを一時停止。Aさんの回答を待ちますが、口から出てくるのは「あれ!あれ!あれ!知ってます!」となかなか出てこない💦
そこで、私からヒントを出しました。
私:Marriage life is full of compromises.
Aさん: あっ!分かったーー!文句!
確かに結婚生活には文句は尽きないですよね!笑
残念ながらcompromiseは「文句」ではなく「妥協」という意味で、不正解ではあったのですが、あまりの面白さにボーナス点贈呈です。
さて、語彙学習では単語を覚えることと同じ位、覚えた単語を記憶から「取り出す」ことは重要です。それも瞬時にです。なぜなら、言語では「読む」「聴く」「話す」「書く」のどの技能でも瞬時に処理することが求められるからです。
なので、英単語学習は声に出して「覚える」→「意味をすぐに言う」の練習を行ってもらい、単語チェックでは、「即答」を重視し、淡々と出題してくれるツールにお任せしています。私がテストをすると、情が入ってしまい、上記のようなことが起こると、語彙チェックというより連想ゲームになってしまいますから💦
一方、強烈な感情を伴う経験を人間は記憶しやすく、また、取り出しやすいそうです。確かに、私はこのエピソードをブログに書きながら、笑いが込み上げてくるくらい鮮明に思い出すことができます。Aさんにとっても同じように、このエピソードとともにcompromiseが忘れない単語になっていれば、学習効率は上がることになります。
今では、学習効率を上げるツールやアプリは数多くありますが、そういったテクノロジーの力を借りつつ、実体験や疑似体験を重ねてもらい、クライアントの皆さまには着実に前に進んでいってもらえるようサポートするのが、私のコーチングサービスの目標です。
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